ギャンブラーズ・アノニマスとは

ギャンブラーズ・アノニマス(GA)はギャンブルをやめたいと思う方なら誰でも参加できる、ギャンブル依存症のための支援グループです。

1957年にアメリカで立ち上げられ、日本にも1989年に支部が誕生、今では全国的に広まって、各地で定期的にミーティングが開かれています。グループ自体はどこの組織にも属しておらず、寄付で成り立っています。

ギャンブラーズ・アノニマス(Gamblers Anonymous)の「アノニマス」とは「匿名の」という意味。グループへの参加は匿名で行うことができます。

グループが行っているミーティングに参加したい場合は自分で参加したい会場のスケジュールを確認し、会場に行くだけ。会員登録などもなく、会費も徴収されません。

ミーティングでは他のメンバーの体験談を聞いたり自分の話をしたりして、健康で幸せな生活を取り戻すためにギャンブル依存症に向き合います。

目次

ギャンブル依存症について

多くの人はギャンブル依存症になる人は道徳的に欠陥がある、だとか、単にダメ人間、と決めつけがちです。ですが、GAはギャンブル依存症を「病気」と捉えています。つまり、ギャンブル依存症になった人は病気にかかった人だから、然るべき治療をすれば症状を軽くすることができる、と考えているのです。

その治療というのはGAが提唱しているプログラムに参加すること。プログラムの有効性は世界中の何千人もの人によって既に証明されています。

なお、GAではギャンブルから抜け出せなくなった人のことを「ギャンブル依存症」と言わずに「強迫的ギャンブル」という呼び方をしています。

強迫的ギャンブルとは

GAは、ギャンブル依存症になった本人が自分の性格を少しづつ変えていくことによって、ギャンブルをやめることができると考えています。

ギャンブルに嵌ってしまう人は感情的に不安定で、ギャンブルをしているときだけにしか自分の居場所がないと考える傾向にあります。ギャンブルをしていれば心地が良く安心できるので、ダメとわかっていながらもついついやってしまう、というのがギャンブル依存症の人が抱える心の闇です。

また共通して見られる性格に、その未熟さも挙げられます。努力はしたくないけれど、世の中でうまくやっていきたい、いつかは大物になってやるんだという夢のような考えが常にあり、しかもそれに加えて大人としての責任を取りたくないという幼稚な思考が、ついには潜在意識の強迫観念とまで上り詰めるというものです。

ギャンブル依存症になってしまうと、簡単には解決できないような問題、例えば金銭的な問題をはじめ、友人間や家族間の問題、仕事の問題、法律に引っかかるような問題にも直面します。次第に周りの人から相手にされなくなり、借金だけが増え、泥沼に陥ってしまうのです。

GAでは、一番重要なのは自分の性格を変えていくことであり、イライラしたり、怒りっぽかったりといったことから欲求不満、優柔不断、人間不信などといった性格上の欠点を取り除いていくことで、ギャンブルへの依存から遠ざかっていくことができるとしています。

そこで提唱されているのが「回復のためのプログラム」と「一致のためのプログラム」という2つのプログラムです。

GAが提唱する2つのプログラム

GAが提唱している2つのプログラムの理念は以下の通りです。いずれも12の章で成り立っています。

回復のためのプログラム

  • 私たちはギャンブルに対して無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを認めた。
  • 自分を越えた大きな力が、私たちの考え方や生活を健康的なものに戻してくれると信じるようになった。
  • 私たちの意志と生き方を自分なりに理解したこの力の配慮にゆだねる決心をした。
  • 恐れずに、徹底して、モラルと財務の棚卸しを行ない、それを表に作った。
  • 自分に対し、そしてもう一人の人に対して、自分の過ちの本質をありのままに認めた。
  • こうした性格上の欠点全部を、取り除いてもらう準備がすべて整った。
  • 私たちの短所を取り除いて下さいと、謙虚に(自分の理解している)神に求めた。
  • 私たちが傷つけたすべての人の表を作り、その人たち全員に進んで埋め合わせをしようとする気持ちになった。
  • その人たちやほかの人を傷つけない限り、機会あるたびに、その人たちに直接埋め合わせをした。
  • 自分自身の棚卸しを続け、間違ったときは直ちにそれを認めた。
  • 祈りと黙想を通して、自分なりに理解した神との意識的な触れ合いを深め、神の意志を知ることと、それを実践する力だけを求めた。
  • 私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力を続け、このメッセージをほかの強迫的ギャンブラーに伝えるように努めた。

一致のためのプログラム

  • 優先されなければならないのは、全体の福利である。個人の回復はグループの一体性にかかっている。
  • 私たちのリーダーは奉仕を任された僕(しもべ)であって、支配はしない。
  • GAのメンバーになるために必要なことはただ一つ、ギャンブルをやめたいという願いだけである。
  • 各グループの主体性は、ほかのグループ、またはGA全体に影響を及ぼす事柄を除いて、尊重されるべきである。
  • GAの本来の目的はただ一つ、いま苦しんでいる強迫的ギャンブラーにメッセージを運ぶことである。
  • GAはどのような関連施設や外部の事業にも、その活動を支持したり、資金を提供したり、GAの名前を貸したりすべきではない。金銭や財産、名声によって、私たちがGAの本来の目的から外れてしまわないようにするためである。
  • すべてのGAグループは、外部からの寄付を辞退して、完全に自立すべきである。
  • GAはあくまでも職業化されずアマチュアでなければならない。ただ、サービスセンターのようなところでは、専従の職員を雇うことができる。
  • GAそのものは決して組織化されるべきではない。だが、グループやメンバーに対して直接責任を担うサービス機関や委員会を設けることはできる。
  • GAは外部の問題に意見を持たない。したがって、GAの名前は決して公の論争では引き合いに出されない。
  • 私たちの広報活動は、宣伝よりもひきつける魅力に基づくものであり、活字、電波、映像の分野では、私たちはつねに個人名を伏せる必要がある。
  • 無名であることは、GAプログラムのスピリチュアル(霊的)な基礎である。それは各個人よりも原理が優先すべきことを、つねに私たちに思い起こさせるものである。

GAのミーティングの内容

GAでは上記のプログラムに基づき、全国各地でミーティングを行なっています。

ミーティングではお互いの過去の経験や現在の状況を報告し合います。お互いの話を聞くだけで批判や議論、専門的治療は行われません。自分自身の生き方の問題点に目を向けて、希望を見いだす場にするというやり方でミーティングは行われます。

ミーティングへの参加方法

ミーティングの参加の仕方は簡単です。事前予約や申し込みは不要で、自分でギャンブラーズ・アノニマスの公式サイト(http://www.gajapan.jp/)で会場を調べて、都合のいい時に直接会場へ行くだけ。本名を名乗る必要はありません。2種類のミーティング(オープンミーティング、クローズドミーティング)があり、オープンミーティングには本人以外の家族も参加可能です。どこのミーティング会場を訪れてもよく、会費も参加費も無料、基本的には自分がしたいと思った時に寄付をすればOKです。(会場費がかかる場合はその旨記載されています)

ミーティング会場

現在、北は北海道から南は沖縄まで200近くのグループがあります。

  1. 北海道・東北地区
    • 北海道・青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島
  2. 関東地区
    • 茨城・栃木・群馬・千葉・埼玉・東京・神奈川・山梨
  3. 東海中部・北信越地区
    • 静岡・長野・岐阜・愛知・三重・新潟・富山・石川・福井
  4. 近畿地区
    • 滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山
  5. 中国・四国地区
    • 鳥取・島根・広島・岡山・山口・香川・徳島・愛媛・高知
  6. 九州地区
    • 福岡・佐賀・長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄

ミーティング開催に関しての注意事項

現在、新型コロナウィルスの感染拡大防止の為、各地で会場施設の閉鎖や使用時間の制限などが継続されています。開催が休止したり、会場の場所が変更されたりすることが頻繁にあるので、公式サイト(http://www.gajapan.jp/の「GA月間ミーティング開催予定」のページをギリギリまで確認してからミーティング会場を訪ねるようにしてください。

ギャンブル依存症チェック

GAではギャンブル依存症でないかどうかをチェックするための20個の質問が用意されており、7つ以上当てはまる人はギャンブル依存症である可能性が極めて高いとしています。

  1. ギャンブルのために仕事や学業がおろそかになることがありましたか?
  2. ギャンブルのために家庭が不幸になることがありましたか?
  3. ギャンブルのために評判が悪くなることがありましたか?
  4. ギャンブルをした後で自責の念を感じることがありましたか?
  5. 借金を払うためのお金を工面するためや、お金に困っているときに何とかしようとしてギャンブルをすることがありましたか?
  6. ギャンブルのために意欲や能率が落ちることがありましたか?
  7. 負けた後で、すぐにまたやって、負けを取り戻さなければと思うことがありましたか?
  8. 勝った後で、すぐにまたやって、もっと勝ちたいという強い欲求を感じることがありましたか?
  9. 一文無しになるまでギャンブルをすることがよくありましたか?
  10. ギャンブルの資金を作るために借金をすることがありましたか?
  11. ギャンブルの資金を作るために、自分や家族のものを売ることがありましたか?
  12. 正常な支払いのために「ギャンブルの元手」を使うのを渋ることがありましたか?
  13. ギャンブルのために家族の幸せをかえりみないようになることがありましたか?
  14. 予定していたよりも長くギャンブルをしてしまうことがありましたか?
  15. 悩みやトラブルから逃げようとしてギャンブルをすることがありましたか?
  16. ギャンブルの資金を工面するために法律に触れることをしたとか、しようと考えることがありましたか?
  17. ギャンブルのために不眠になることがありましたか?
  18. 口論や失望や欲求不満のためにギャンブルをしたいという衝動にかられたことがありましたか?
  19. 良いことがあると2、3時間ギャンブルをして祝おうという欲求がおきることがありましたか?
  20. ギャンブルが原因で自殺しようと考えることがありましたか?

GA日本インフォメーションセンター

GA日本
  • 公式サイト:http://www.gajapan.jp/
  • メールアドレス:gajapan@rj9.so-net.ne.jp
  • 住所:〒242ー9017 神奈川県大和市大和東 3-14-6 KNハウス101
  • 電話:046-240-7279(電話対応時間は毎月最終週の日曜日11:00~15:00)
  • Fax:050-3737-8704

他のギャンブル依存症関連の自助グループ

ギャンブル依存症を支援する他の団体の情報です。

全国ギャンブル依存症家族の会

ギャンブル依存症に悩む家族が問題の解決を図ることを目的に活動を続けているグループです。

公式サイト:https://gdfam.org/

ギャンブル依存症問題を考える会

ギャンブル依存症の問題を抱える家族のサポートを行うグループです。

公式サイト:https://scga.jp/

ギャマノン

ギャンブル問題の影響を受ける家族や友人のために設立したグループです。

公式サイト: https://www.gam-anon.jp/

ファミリーズアノニマス

ギャンブルをはじめ、アルコール、薬物、買い物、ネット、ゲーム、スマホ、摂食障害など、家族や友人に依存症の問題を持つ方のためのグループです。

公式サイト:https://families-anonymous.wixsite.com/home

その他関連サイト

その他、ギャンブル依存症に関連するサイトをご紹介します。

カケルとキョーコ

ギャンブル依存症問題を考える会が製作したギャンブル依存症ポータルサイトです。

公式サイト:https://kakenai.jp/